本学科のホームページをご覧いただきありがとうございます。
今こちらをご覧の皆様は、何か困ったことや知りたいことがあったら誰にたずねるでしょうか?一昔前であれば、人生経験の長い両親や物知りの友人に聞いたかもしれません。しかし今や、多くの人がまずはインターネットに回答を求めているように思います。ICTが更に進んでいくと、知識を持っている(つまり頭がいい)だけでは何のアドバンテージにもならない社会がやってくるかもしれません。加えて、近年の災害やコロナ禍のような事態をみていると、私たちは先の見えない時代に突入していて、これを切り抜けるには、既存の経験や知識だけでは太刀打ちできないように思います。
今の時代に求められる作業療法士の能力は、知識を持っているだけでなく、知識を使って新しい何かを創造していく力ではないでしょうか?そしてこのような力を学生時代に身につけるには、問いをもつ→調べる→自分なりの意見をもつ→意見を表明する→他者の意見を聴く→自分の意見を深める→新たな問いの発生、といったサイクルを回していくことに他ならないと思います。本学科では以上のように新たな時代を担う作業療法士を養成しています。

住み慣れた地域で自立した生活を実現するために、作業療法士としての最新かつ高度な知識と専門技術を備え、ヒューマンサービスやライフサイクルに適したサービスを身につけ、地域を活性化できる人材を育成します。
※2022年から生活行為向上マネジメント 推進協力強化校となりました。
取得資格 | (国)作業療法士(受験資格) |
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取得学位 | 作業療法学士(専門職) |
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“作業療法士”とは?
作業療法士は、患者さまの病気・ケガ・老化などによる後遺症や障がい、生活の中で感じる不便さから、「暮らしやすさ」を取り戻すために心と身体の治療と訓練を行い、目的の達成のため、寄り添い、サポートを行います。
作業療法学科における
3つの特色
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1地域貢献×作業療法
地域における作業療法の役割や、地域に携わるさまざまな人との関わり方など、「地域」に関する幅広い知識を学び、患者さまがいきいきと生活するために貢献できる力を育成します。
対応科目
- 地域作業療法学
- コミュニティ形成論
- 地域社会論
- 地域包括マネジメント論
- 地域生活と健康
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2乳幼児期から老年期まで網羅した学び
「発達障害」「老齢期障害」など作業療法は幅広い世代で求められています。乳幼児期から老年期まで人間の各ステージで求められる心身の支援やケアの違い、それに対応した知識・技術のほか、さまざまな世代と関係を築くための高度なコミュニケーション力を身につけます。
対応科目
- 小児科学
- 特別支援教育
- 老齢期障害作業療法学
- 心理学
- ライフサイクル論
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3患者さまとそのご家族に寄り添ったあたたかい支援を行う人材
作業療法士として患者さまだけでなく、その家族とも心を通わせた支援やケアで不安や負担を和らげることも重要な役割です。患者さまの家族背景や家族環境、リハビリにおける家族の役割などを学び、患者さまやそのご家族に寄り添った支援を身につけます。
対応科目
- ヒューマンサービス論
- 人間形成論
- 家族関係論
1人間工学
人間工学の視点からみた未来のリハビリテーション医療、在宅介護サービス、人々の生活までを学び、人間工学の原則に基づく新たなサービスを創造する力を身につけます。
2応用治療技術実習Ⅱ(リハビリ工学)
工学技術をリハビリテーション分野に応用した、治療やトレーニング、生活支援、介護支援に関するシステム・装置などについて学習します。具体的には、リハビリテーションロボット、介護ロボット、入力・操作補助装置、コミュニケーション補助装置、移動・移乗支援機器、ICTを利用した支援システム、機能的電気刺激などについて学びます。
3地域生活と健康
成長期の男女、高齢者、身体障がい者等やライフステージに合わせた健康の維持・増進のための健康教育の基礎的知識を学びます。
4地域作業療法学 作業療法× 地域
対象者の生活に主眼をおいた在宅支援によって、「こころ」と「暮らし」をサポートできる専門職を育成する3 科目
「生活環境学」
福祉制度や施策といった制度的環境や家族や介護者等の人的環境の視点から、障害者や高齢者が自立し主体的な生活が保障される生活環境について理解します。
「地域作業療法学」
地域リハビリテーションの理念や現状を学び、各地域のニーズに対応できる創造力を養います。
作業療法介入のツールである生活行為向上マネジメントを理解し、各種シートを活用できる実践力を養います。
「予防作業療法学」
予防医学を基礎とし、作業療法の豊富な知識を保健・健康関連分野の予防など幅広い分野へ応用するための知識と実践的方法について学びます。
5基礎作業学
「作業とは何か」を知るため、作業活動の成り立ちや運動学的・精神学的側面、作業がもつ治療的要素などを通じ、作業療法の基礎である「作業」や「活動」について理解を深めます。作業療法と作業活動の関係について学習することで、「作業」の奥深さを学びます。
6作業療法×展開科目
「サービスを創造する力」「地域生活を支援する力」「地域へ新たなサービスを提供する力」の3つの力を身につけます。医療現場や地域での新たなサービスの提供や改善、地域生活を理解した上での支援(コミュニティづくりなど)をする力が身につきます。

- 岡山を代表する様々な分野の経営者ならびにイノベーターにより、新サービス・起業・新規事業展開・海外事業展開・地域創生(地域活性化)等をテーマに、企業・経営者の観点からサービスの創造に欠かせない思考と創造力を学びます。

臨地実務実習(臨床実習)
本学科では、臨地実務実習の体験を通して作業療法士としての実践力を高めるため、見学実習、評価実習、総合実習Ⅰ、総合実習Ⅱの4科目を臨地実務実習として配置しています。特に早い段階から実際の作業療法の現場を経験できるように「見学実習」を1年次から行っています。
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1年次 見学実習
倫理の重要性を学ぶとともに作業療法士の役割や多職種でのチーム活動の重要性を学び、専門職業人としての責任や役割を理解します。
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3年次 評価実習
現場で対象者と向き合い疾病による障がいや、地域生活の困難さを経験します。專門職業人として求められる基本的な対応力、観察力、評価技能、臨床的思考など、基礎的な臨床技能を涵養します。
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3年次 総合実習Ⅰ
評価実習と3年次前期までに学んだ知識と技術を統合し、専門職業人としての基盤的実践力を涵養します。対象者の抱える課題や地域の課題について「気づき」から問題を特定化しています。
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4年次 総合実習Ⅱ
專門技能錬成プログラムにより、理論に裏付けられた專門技術の更なる深い理解と応用力を育み、一段高い完成度と応用力を備えた即戦力を身につけます。同時に、展開力育成プログラムと連動させ、「気づき」から、アイディアへと煮詰め、現場のニーズを新たな形にしていきます。
さらに、本学では、臨地実務実習と「応用治療技術実習」「展開科目」を連動させた独自のプログラムで高度な実践力と豊かな創造力を身につけます。
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1専門技能錬成プログラム
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2展開力育成プログラム
作業療法学科における4つの領域
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身体障害
病気や事故の後遺障害などからの回復、
社会復帰に向けて病気や事故によって、身体に不自由を生じた方に対し、回復に向けた治療、生活の不自由さを軽減する技術、自立生活を援助する技術を学びます。
- 脳卒中
- 神経難病
- 事故の後遺障害など
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発達障害
障がいのある子どもたちの
健やかな成長に向けて子どもを尊重し、身体とこころの発達を医学的知識を基に深く学ぶことで、脳性まひや筋ジストロフィー、自閉スペクトラム症などの家族の具体的な生活上の問題解決をサポートします。
- 脳性まひ
- 知的障害
- 自閉スペクトラム症など
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精神障害
生活の質(QOL)の向上、
就労支援、社会参加に向けて病気や脳の働きを学び、精神の障がいとその回復の要因を理解します。精神の障がいのある方が、生活の質(QOL)を向上させ、就労・社会参加する援助をします。
- 統合失調症
- 気分障害
- アルコール依存症など
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高齢期障害
寝たきり、骨折、認知症など
高齢者が抱える障がいの軽減に向けて高齢期に多い疾患や心身機能の低下によって生活に障がいをきたした高齢者を対象とし、心身機能と生活機能の維持・向上、余暇活動の開発をサポートする方法を学びます。
- 認知症
- 脳卒中
- 加齢による障がいなど